マガジンのカバー画像

Question & Design

15
『Question & Design』は、デザインの視点やグローバルな視点から新しい問いを見つけ日本の経営をアップデートするCDO/CXO/CCOのためのデザイン経営マガジンです… もっと読む
運営しているクリエイター

#経営

Portrait of CDO #2 前編:非連続性を生み出すカオナビCDOの役割とは

急拡大するHRテクノロジー業界でタレントマネジメントシステムのトップシェアを誇る株式会社カオナビ。2019年にマザーズ上場を果たした同社は「非連続性」を生み出すべく、最高デザイン責任者(CDO) 玉木穣太氏を招き入れました。 玉木氏が入社されてから1年。その間に公開したFuture Deckは3万ビューを超え、コロナ禍におけるオフィスの拡張移転は話題を呼んでいます。しかし、本人に話を伺ってみると「ミーハーでステレオタイプ、芯のないデザイナーでした」と、自らの過去を自嘲気味に語

経営危機とデザインの力 -苦境の旅行業界で新規事業を生み出し続けるベルトラの舞台裏-

世界150カ国の現地体験型オプショナルツアー専門予約サイト『VELTRA』を運営するベルトラ株式会社。「旅の本質は、文化交流にある」と考え、世界各国の豊富なアクティビティ商品を提供している同社のサービスは旅先での体験を重視する個人旅行者(FIT)に大きな支持を受けている。 2018年には東証マザーズに株式上場を果たし、右肩上がりの成長を続けてきたベルトラにストップをかけたのは新型コロナウイルス感染症だった。 ツアーの予約数は大きく減少し、一部サービスを閉鎖。従業員の休業対応

Redefine “Good Design” / 「使いやすいデザイン」は、社会をダメにする

ちょうど1年前に米国で起きた警察官による黒人男性の殺人事件と、それを発端に巻き起こったBlack Lives Matter運動。世界が向き合わざるをえなくなった人種差別を引き起こすひとつの要因が「優れた人間中心のUX」にあるとする議論がいま、盛んです。激動する社会の中で解決策を見出そうとするUXデザイナーをはじめとする米国デザイン界の動きを追いました。 *  *  * いま社会には、「国」や「都市」ほどマクロでもなく「コミュニティ」よりもっと手応えのある人と人とのつなが

Portrait of CDO #1 前編:社会課題を解決する、LIFULL流クリエイティブ戦略

株式会社LIFULL(以下LIFULL)は「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージとするソーシャルエンタープライズ企業。あまり聞きなれない「ソーシャルエンタープライズ」ですが、何かと言うと事業を通して社会課題の解決を目的として収益事業に取り組む事業体なんだそうです。 渋沢栄一の「論語と算盤」のように自社の収益と公益との両立を目指す企業、そんなLIFULLでCCO(Chief Creative Officer)としてクリエイティブ全般を統括している川嵜氏に、

Portrait of CDO #1 後編:クリエイティブでなければ、価値ある経営判断なんてできっこない

株式会社LIFULL(以下LIFULL)は「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージとするソーシャルエンタープライズ企業。事業を通して社会課題解決をしていく会社であるが故に、「社会課題の発見と事業創出」をミッションの1つとするクリエイティブ戦略は経営の中でも特別重要な位置付けとされていました。この後半では、クリエイティブ戦略の中でクリエーターやデザイナーを実際どう育てていくのか。そして経営とクリエイティブはどう融合していくのか、LIFULL川嵜氏に聞いてみま

Question & Design 創刊します

社会に良い影響を与えるためには何をすべきなのか? 誤解を恐れずに言うと、より多くの経営者が良い経営、良い事業をすることなのではないかと思ってます。 事業をやることで収益が得られ、持続可能な活動状態が作ることができる。 その”回っていく”状況さえ作れたら御の字、事業が目指す方向性さえ間違えることがなければ、必ず社会に対して良い影響を作っていくことができる。 反対勢力の真っ只中で批判に晒され続けながら戦う、そういうタフな変革は、ジャンヌダルクさながら負を背負って生きていくこと